虎ノ門蒸留所は2023年6月に三周年を迎えました。そして過去と未来、自然と人間の関係をテーマに、 asu と uta(明日と唄)の二種類のジンをつくりました。
四季折々、農家の方々から旬の果実やハーブを分けて頂きこの1年で62種のボタニカルを使用、22種類の季節のジン、特別なジンを蒸留。今回はそれをブレンドし、一つのボトルに入れた三周年ジン utaのお話です。
1年をふりかえって
大都会のど真ん中に、日本各地から届く新鮮で良質なボタニカル。
ユニークな哲学をもつ人々の、こだわりぬいた農法と自然と向き合う日々の中での手入れの賜物です。
封を開けると、ビルの中の小さな蒸留所に季節の香りが充満し、つかの間、時の流れがゆるやかになるのを感じます。
四季のある日本の美しさは、限られた期間にのみ色鮮やかな姿を見せてくれる植物や、瑞々しさをまとう果実に表れ、慌ただしい日々に、立ち止まるきっかけをくれます。
TOKYO LOCAL SPRITS は無機質な都会の中だからこそ感じてほしい旬の香り、豊かな自然の風景を届けてきました。
それぞれのuta
この1年間で蒸留した22種類の季節のジン。それらをバランスよくブレンドし、3周年の節目を記念した”uta"が完成しました。
62種類のボタニカルが紡ぎだす香りと味は、”フルーティー”や”清涼感”といった特定の言葉では形容しがたく、味覚や嗅覚の個性により感じ方が大きく異なります。
そこで、年齢や性別、様々なバックグラウンドを持つ方々にutaを飲んでもらいました。
「瀬戸内海を自転車で走っている感じ。広島とか」
料理人/男性/30代/
「高校2年生の夏祭り。ほろ苦くて、甘くて優しい。」
ジャーナリスト/30代/男性
「湿度の高い、春の森の香り。」
木こり/60代/男性
「チャイにも通じるスパイス感、後味は日本酒のようなまろやかさ」
会社員/20代/女性
「風通しが良い場所で、毛布に包まれてぬくぬくしているような感じ。」
映像クリエイター/20代/男性
「愛用しているお気に入りの香水に似ている。」
アパレル関係/30代/男性
「主役が不在なのに、芯がある、不思議。」
食品輸入/40代/女性
「お花畑、柑橘、かどのないやわらかさ、かろやかさ。」
カメラマン/40代/男性
「アロマのよう、夜寝る前を連想する。」
主婦/40代/女性
香りと繋がる記憶
懐かしい風景や心地よい音、当時の感情が香りによって思い出されることがありますよね。
人間に備わっている五感のなかで嗅覚は唯一、感情と本能そして記憶を司る器官とつながっています。
私がはじめてutaをのんだとき、新緑の間をぬってきた、初々しい初夏の風が思い浮かびました。
今回みなさまに頂いた感想からも、utaの香りが記憶の中の心地よい情景、穏やかな心情と結びついているように感じ、いろいろな方の感想や、お話しを伺ってみたくなりました。
気心知れた仲間との食卓やもっと知りたいあの人と、utaを囲んでゆるやかな時間の流れを楽しみませんか。
新たな1年に向けて
無機質な都会、淡々と消費されていく日々の中に
旬の香りで栞をはさみ、記憶の中の季節の風に想いを馳せる
そんな瞬間を、東京で暮らす人々にも届けたい
4年目となるTOKYO LOCAL SPIRITS
新しい虎ノ門蒸留所の1年がはじまります。